- 学生時代に英語はがんばってきたけど、英会話で単語が全然出てこない
- 忙しい社会人が効率的に英単語を覚えられる方法を知りたい
- いつも覚えた単語をすぐに忘れてしまう
英語を勉強するにあたって、単語の暗記は避けて通れません。社会人として、受験のための英語ではなく会話で使えるための英語を身につけたい人は多いはず。
実際、単語を一生懸命覚えようと頑張ってはいるけど、英会話で使えず、結局すぐに忘れてしまう人はとても多いです。
私は30歳から英語学習を始め、会社員をしながら英検準1級を取得、日常英会話は問題なくできるようになりました。
本記事では、忙しい社会人が効率的に英単語を学び、英会話で使える実践的な単語の覚え方を解説します。
この記事を読めば、確実に英語が話せるようになるための単語暗記法が体系的に理解できます。
社会人の英語学習の目的
社会人は学生と違って、受験が目的の英語学習ではありません。
もちろんTOEICや英検が必要な人もたくさんいます。しかし、多くの人にとって試験は通過点であり、最終的には英語が話せるようになりたいと思って勉強しています。
したがって、社会人が英語学習をするにあたって、話せるようになることを見据えて単語を覚えていかなければなりません。
そこでここからは英語を実際に使うことを目的とした単語学習法をお話していきます。
語彙力を伸ばす2つのアプローチ
まず、語彙を強化するために必要なアプローチは2つあります。
- 単語帳から覚えるアプローチ
- 実践から覚えるアプローチ
1.単語帳から覚えるアプローチ
1つ目は単語帳などのテキストから短期間でまとめて数百~数千語覚えていくアプローチです。
初心者の場合は持っている語彙数が少なすぎるので、まずは1冊の単語帳である程度の語彙力をインプットしましょう。
日常英会話に必要な語彙数は最低3000語と言われています。3000語レベルに到達するまでは単語帳などを使ってまとめて暗記したほうが効率的です。
ある程度の語彙力がないと、知らない単語だらけで調べることにいっぱいいっぱいになってしまいます。
最初に基礎単語力をつけておくことで、簡単な英会話はできるようになります。それによって、実践からも吸収しやすくなります。
2.実践から覚えるアプローチ
2つ目のアプローチは、実際の会話や海外ドラマ、アニメなどから学んでいくアプローチです。
実践から覚えるアプローチには以下のような例があります。
- オンライン英会話で講師が使った知らない表現を覚える
- 海外ドラマやアニメの登場人物が使った単語をメモする
- オンライン英会話や独り言で言いたいことが言えず、単語を調べて覚える
実践から学んでいくスタイルは、特定のリアルな状況の中覚えられるので記憶に残りやすいです。
例えば私は内向的な性格で、当時オンライン英会話でそれを説明したかったのですが、「内向的」という英単語を思いつかず言うことができませんでした。
この状況から覚えた「内向的」という意味の単語「introvert」は私の記憶に刻み込まれています。
メモアプリやノートに実践から覚えた単語をメモしてオリジナル単語帳を作っておきましょう!
初心者はまず基礎単語力をつけて初中級者になってからこのアプローチを取り入れることをおすすめします。基礎単語力がないと知らない単語が多すぎて、調べる時間ばかり増えてしまいかなり非効率だからです。
まずは単語帳で基礎を築き、そこから2つのアプローチで語彙を強化していくのがおすすめです。
英会話のための英単語の覚え方3つのルール
それではここから英会話で使えるようになるための単語の覚え方を解説します。
まず全体的な戦略として、絶対にやるべきことが3つあります。
- 単語帳の回転率を高くする(同じ単語に出会う頻度を多くする)
- 書かずに音で覚える
- 文章を作る機会をもつ
1つ1つ解説します。
1.単語帳の回転率を高くする(同じ単語に出会う頻度を多くする)
単語帳の回転率を高くするとは、1周にかかる時間を短くして何度も復習することを意味します。
単語の学習でいちばん大事なのは、短い期間で同じ単語に何度も触れることです。1つ1つの単語にじっくり時間をかけて覚えようとするのではなく、早く回して何度も復習することで覚えていきます。
単語は1回で覚えるのではなく、何周もして覚えるものだと認識しておきましょう!
1つの単語帳を最低でも10周は回したいですね。
適切なタイミングで復習する
人の脳は復習をしないと忘れるようにできており、適切なタイミングで復習をすると記憶の定着率がよくなります。
これは、有名なエビングハウスの忘却曲線理論によって証明されています。単語を覚えられないのは記憶力の問題ではなく、脳の構造上忘れるようになっているんです。
1回で覚えようとするのではなく、何回も反復することで、すぐに忘れてしまう短期的記憶から時間が経っても忘れにくい長期記憶にすることができます。
以下の記事には忘却曲線を考慮した最適なタイミングで復習できる学習スケジュールを載せています。
2.書かずに音で覚える
単語帳に記載してある発音記号に沿った正しい発音で覚えましょう。正しい音で覚えることでリスニングの時にも理解できますし、スピーキングの時にも相手に伝わります。
発音記号とは?
言語の発音を「言語の発音を表記した記号」のことです。基本的に、全ての英単語はこの発音記号に基づいて発声されます。
importantを「インポルタント」と覚えていたら 「impɔ́rtənt」と発音された時に認識できません。
学生時代ひたすらノートにスペルを書いて単語を覚えようとしていませんでしたか?私も実はその一人で、ペンだこができるくらいに書き込んでいた記憶があります。
英語を話せるようになることが目的であることを考えれば、音で覚えるようにしましょう!
3.文章を作る機会をもつ
自分で英文を作らない限り、瞬発的に英会話で使える単語にはなりません。
見たり聞いたりすればわかるけど、会話になると瞬時に頭から取り出せず、とっさに使えない状態です。
自分自身で文章を作りアウトプットする機会をもつことで「会話で使える語彙」がストックされていきます。
英会話で使えるようになる英単語の覚え方3ステップ
ここからは実際に単語帳を使った覚え方を解説します。
前述したルールを念頭に置いて、以下の具体的な3ステップにとりかかります。
自分で作ったオリジナルの単語帳などを含め、基本的にどんな単語帳でも使えます。
英単語を目で見て、日本語の意味をサッと確認します。1周目は見出し語のみの確認で問題ありません。
この時は日本語訳をそのまま覚えようとするのではなく、その意味の先にあるイメージや感覚を大事にしましょう。
例えば「rich」という単語には「金持ちの、裕福な;濃厚な、こってりした」など、文脈によって異なる意味があります。文字通りに暗記するのではなく、「何かが豊富である感じ」という非言語的な感覚を強く意識しましょう。
こうすることで英語を感覚で捉えられるようになり、英語脳を鍛えることにも繋がります。
ステップ1で意識したイメージや感覚を頭に描きながら3~5回発音記号どおりに発音します。
発音記号に沿って発音できるようになると、相手に伝わる英語を話せるようになりますし、音で覚えていれば聞いた時にも理解できるようになります。
意味をイメージしながら発音することで、単語を聞いた時に、日本語に和訳したりしなくても理解できるようになります。
自分でその単語を使った文を作り、口に出してみましょう。いちばん負荷がかかるステップですが、これをすることで実際に会話で使える語彙力が身につきます。
例①
Her family is very rich.
(彼女の家族はとても金持ちだ)
↓
My favorite actor is very rich.
(私のお気に入りの俳優はとても金持ちだ)
例②
This ice cream is super rich.
(このアイスはすごく濃厚だね)
↓
This is rich.
(これは濃厚だね)
例①の場合は、 Her familyを My favorite actor に入れ替えて英作文しています。なるべく自分が実際の会話で使いやすい形で英作文を練習していた方が、いざ会話のときに使いやすくなります。
例②の場合は、代名詞 This を使って誰でも作れるような簡単な文を作っています。
英作文の完璧さを求めすぎて時間をとられ過ぎると回転率を高くすることができなくなってしまいます。初心者の方は超簡単な英文でOKです。
また、ステップ3に関しては全単語にやるのではなく、自分が会話で使いたいと思う単語を選んでやっても問題ありません。
この3ステップが基本の流れです。しかし前述したように単語は1度で覚えるのはほぼ不可能なので、何度も何度も復習して覚えていきましょう。
定期的に復習し、長期的記憶にしていきましょう。
復習の時は、完全に覚えた単語はサッと目を通すだけ、覚えられていない単語はステップ1~3を丁寧にやるなど変化をつけるのがおススメです。
覚えた英単語を独り言やオンライン英会話でアウトプットする
ステップ1~3で単語を覚えながら、独り言やオンライン英会話でアウトプットします。ステップ3で英文を作って口に出すことはしていますが、よりリアルなシチュエーションで使ってみることで、長期的な記憶として定着します。
独り言でのアウトプット
例えば、ideal(理想、理想的な)という単語を覚えたら、自分の身の回りのことで「ideal」を使って独り言をしてみましょう。
She is my ideal girlfriend.
(彼女は僕の理想的な彼女だ)
This is my ideal plan.
(これが私の理想的な計画です)
勉強時間はもちろんのこと、家の掃除をしている時、通勤時間や待ち時間など、スキマ時間を活用して覚えた単語を使った独り言をしましょう!日本でも英語を話す機会は自分で作ることができます!
以下のリンクより、独り言のやり方を詳しく解説しています。
≫英語が話せるようになる独り言のやり方はこちら
オンライン英会話でのアウトプット
独り言でidealの使うイメージができたら、オンライン英会話でも使ってみましょう!「会話で使った」という経験がidealを会話で使いやすい単語にさせてくれます。
オンライン英会話を受ける前には予習(話す内容を決めておく)を行い、覚えた単語をどのように使うか前もってシミュレーションしておきましょう。
以下のリンクより、オンライン英会話の効果的な使い方を解説しています。
≫オンライン英会話の効果的な受け方
なかなか覚えられない単語を覚えるテクニック
同じ単語を何回復習してもなかなか覚えられない時はありませんか?そんな時は、ちょっとしたテクニックを使って記憶に残りやすくさせることができます。
画像で覚える
人の記憶は文字よりも画像の方が定着しやすいと言われています。
教科書の内容は全然覚えていないのに表紙の写真や、中に使われていた画像は覚えていたりしませんか?この視覚効果を単語暗記に活用すると覚えやすくなります。
単語帳に単語のイメージイラストを描く
単語帳を使って覚えている場合は、その単語のイメージするイラストを見出し語の近くのスペースに描きこんでみましょう。文字だけだと覚えにくかった単語の意味がスッと頭に入って感覚的に意味が捉えられるようになります。
上の写真は私の単語帳の一部です。何回か復習しても「intimidating (威圧的な) 」という単語が覚えられませんでした。そこで単語帳のスペースに「intimidating」の意味をイメージさせるイラストを描きこみました。
そうすることで、「intimidating」を見たり聞いたりしたときに、この「人を怯えさせるような感覚」が浮かび、日本語を介さずに意味を理解できるようになりました。それは数年経った今でも変わりません。
Google画像検索でイメージをつかむ
イラストが思い浮かばなくても、苦手でも問題ありません。Google画像検索を使いましょう。
先ほどの「intimidating」という単語を例にとります。この単語をGoogleで検索してみると、
威圧的な姿をした人の写真やイラストが出てきます。自分の書きやすそうなものを選んで単語帳に描きこむも良し、単語のもつニュアンスを理解するも良しでかなり有効活用できます。
画像で覚えるテクニックはなかなか覚えられないものに絞ってやりましょう!1つ1つやっていると時間がかかりすぎてしまいます。
単語学習はあくまでも回転率が大事です。
よくある質問 Q&A
単語暗記に関するよくある質問をまとめました。
社会人は英語を使えるようになるための単語暗記をしよう
今回は英会話で使えるようになるための単語の覚え方を解説しました。
私の5年間の知恵を詰め込んだのでかなり長文になりましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございます。
本記事の覚え方で単語を暗記すれば、確実に英会話で使えるようになります!単語を覚えたら独り言やオンライン英会話することを忘れずに♪
これからも英会話を学ぶ旅を楽しんでくださいね。